おえかきTips
ご無沙汰してます。∠KOH(かっこう)です。CBで皆伝になりました。
訳あって実家暮らしなのですが雪で死にそうです。クソ寒いんじゃボケ。
今回は趣味で12年近くやってるおえかきについてまとめてみます。
IIDXの姫留ちゃん*1を描く過程を大雑把に紹介する形式で進めます。
ほぼほぼ二次元の美少女しか描いてきていないのでそれ以外のことは書けません。悪しからず。
ノウハウという程ではないですが絵を描く際に知っておくべきペイントツールの機能や自分が絵を描くときにやってる小技とかそういうフワッとしたものを紹介するつもりです。備忘録も兼ねてます。
内容はおえかき初心者だけどちょっと上手く見せられるようになりたい! みたいな人向けです。僕より基礎がしっかりしてる人(絵を普段から描いてる人のほとんど)にはツッコミどころ満載の楽しい記事になるのでそれはそれで読んでください。てか全員読め。
(※この記事はB4UTアドベントカレンダー2018に向けて書いたものです。音ゲー要素は希薄です)
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目次
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1.自己紹介
絵を描くときはArclo(あるくろ)の名義を使うことが多いです。
おえかき歴12年とは言いつつもダラダラ描いてきただけなので残念ながらめちゃ上手い訳じゃないです。
最近B4UT関係で描いたのはχ-dempa from Europarianのジャケットです↓
使用ソフト:CLIP STUDIO PAINT PRO (クリスタ)
ペンタブレット:Cintiq 13HD (液タブ、画面にそのまま描けるアレ)
僕の描いた絵に関しては、
か、pixiv↓
にて公開しています(R-18注意)。よかったらフォロー等よろしくお願いします(宣伝)
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2.絵を描き始めるにあたって
初めてだけど試しにおえかきしてみます、という方はとりあえず適当なノートとシャープペンシルで描いてみましょう。絵を描くだけならお金はほぼかかりません。嬉しいことに。
ちょっと頑張ってみようかな、と思ってるそこのアナタ。ペンタブレットは安いものならクリスタPROの2年ライセンス付きで1万円切ります。買いましょう。
すでに絵を描いてるお前は液タブを買えば僕の5000兆倍上手くなれるぞ。
一応なのですが、画力誤魔化し術を使うなら断然デジタルでのおえかきを勧めます。アナログでは出来ないことが出来るので小技の幅が違います。
この記事は基本的にデジタルで描くことを想定していますがある程度はアナログでも使える話だと思います。
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3.初めにアタリをとる
紙とペンを用意して何か描いてください。さあどうぞ!
……って言ってもまず何をしたらいいか分からないですよね。
順を追ってやっていきましょう。
最初はアタリってのをとります。顔とか関節がこの辺で~みたいなの。
なんか上手い人たちがキャラクターの顔に十字描いたりしてるの見たことないですか?アレです。
この作業に関しては『アタリ 絵』とかでggったらモリモリ出てきますのでそれを参考にしましょう。
ポーズは写真や好きなイラストを参考にしましょう。(但し他人の著作物を勝手にトレースした等の場合は私的利用の範囲に留めたほうがよさそう。せめて明記すべき)
アタリをとって肉付けしたのがこんな感じ↓
ちなみに僕はクリスタでは鉛筆ツールの「濃い鉛筆」と消しゴムツールの「硬め」 だけでペン入れまでやります。設定だけメモっておくので参考までに。
・濃い鉛筆
-ブラシサイズ 10.0 (長辺4000pxくらいの大きいキャンバスに描くので太め)
-ブラシ濃度 90
-手ブレ補正 35 他はデフォルト
・硬め(消しゴム)
-全部デフォルトのまま、ブラシサイズだけ使いやすいようにその都度変える
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4.ラフ・下描き
資料を見ながらザクザクと描いていきます。ポイントは線の勢いを殺さないことです。チマチマ描いたり、そっと描くのは線が縒れてふにゃふにゃになりがちです。思い切りが大事。
模写をするときは元の絵をガン見しつつ描きます。それ以外の場合もポーズ集などの参考資料をいっぱい見ます。最初は(というかなんなら永遠に)何も見ないで描けるようになる必要はないです。
基本中の基本としてデジタルで描く際には『レイヤー』機能を使いましょう。これが使えるだけでめっちゃ捗ります。詳しくは公式からどうぞ↓
シリーズ「レイヤーの種類・操作」 by ClipStudioOfficial のTIPS一覧 - CLIP STUDIO TIPS
ある程度機能の揃ったペイントソフトには必ず入っている機能なので押さえておきましょう。その名の通りキャンバス上に層を作ることが出来る機能です。
ラフを描くときには、
→ラフ用の新規レイヤーを作成して、
→アタリを描いたレイヤーの上に重ね、
→アタリを描いたレイヤーの不透明度を10パーセントくらいにする
と描きやすいです。
ラフが描けたら下描きをして更に詳細を詰めます。別のレイヤーを作ってもいいですし、ラフ自体に加筆修正して整えていくのもオッケーかなあと思います。
ラフ・下描きはこんな感じ↓
このくらい丁寧に描いておくと線画が楽です。時間がないときは下描きに色を付けていってもそれなりのものが出来るんですが今回は普通にペン入れしていきます。
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5.線画
ペン入れしていきますがここでもレイヤー分けをします。今度はアタリを描いたレイヤーを非表示にして、ラフのレイヤーの不透明度を10パーセント程度にし、線画用のレイヤーを作成してラフのレイヤーの上に重ねましょう。
線画は部位毎にレイヤーを分けるのもアリです。例えば顔のレイヤーと髪のレイヤーなどに分けると後から微調整がしやすくなります。
線は勢いを大切に、ラフをなぞるのではなく「描いた線がうまいこと下描きの線に乗った」という感覚です。なのでうまくいくまで線を引いてctrl+Z(取り消し)を繰り返します。
レイヤーにはラスターとベクターの二種類があるのですが、線画を描く際にはベクターレイヤーを使うと楽が出来ます。ベクターレイヤーの詳しい機能についてはここでは書きませんが、『消しゴム』ツールの『ベクター用』にある交点消しが重宝します。
で、ペン入れの際に線の強弱に気を付けろとかメリハリをしっかりとか言われがちなんですけどちょっと描いたくらいじゃ「そんなんわからん」ってなります。
そこで。
後から線のメリハリをつけ足します。
←before after→
別レイヤーを重ねて線の交点(隅っこ)に黒を塗ったり、線自体を二度書きすることでメリハリを出してます。僕にとって一発で勢いもメリハリもある線を描くのは非常に難しいのでこうやって誤魔化しているわけですね。
これだけでもかなり線画が引き締まるのでオススメです。
見えないところやとても暗いところ(顎下や後ろ髪の一部など)は思い切って黒で塗り潰します。見せなくていい部分の情報を削ることでメリハリを生みます。これでさらに線画がそれっぽく見えてきます。
実際の線画はこちら↓
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6.下塗り
色を塗るときにはバケツツールが便利です。解説は公式から↓
塗りつぶしツールを使いこなす①基本編「ツール設定・色塗り #4」 by ClipStudioOfficial - CLIP STUDIO TIPS
あとはペンツールからGペンやベタ塗りペンなどを活用して下色を塗っていきましょう。
下塗りのポイントは、
①必ず線画より下の層のレイヤーに塗ること
②はみ出しや塗り残しを潰すこと
③パーツごとに別レイヤーに塗る(推奨)、せめて色ごとには分けること
④最初に置く色はある程度適当でよし
といったところでしょうか。
①と②は当たり前なんですが、③をキチンとやっておくと後から楽です。というのも④と関係するのですが、クリスタには色調補正といってレイヤーごとに(厳密には選択範囲などでも可能)後から色を調整する機能が搭載されているからです。
下塗りをした後はこんな感じ↓
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7.彩色
ディテールを出していきます。
乗算レイヤーというのを使います。(この辺↓を参照)
レイヤーの合成モードを変えることで様々な効果を得ることが出来ます。乗算レイヤーはそのレイヤーに乗っている色とそれより下のレイヤーの色を掛け合わせます。
色が濃くなると思ってくれればいいです。なので陰影をつける際などに役立ちます。
直下のレイヤーにのみ適用したい場合はクリッピングを使うといいです。はみ出さなくなります。これは乗算レイヤーで影を付ける際以外にも使えるので覚えておいて損はないです。
影をつけるときは描き足すよりも一気に塗って後から削る方がやりやすいと気がします。
個人的に気を付けているのは黒や灰色そのものを乗算しないこと(例外もあります)。彩度の存在する色を乗せたほうが見栄えが良くなります。金髪に灰色を乗算したときと明るい桃色*2を乗算したときの違いはこれ↓を見れば一目瞭然です。
一旦色を乗算で乗せてみてしっくりこなかったら、下塗りの時のように色調補正を乗算レイヤーに適用してみましょう。
もう一つ言うならば、幾分か主観の混じった意見ですがリッチな塗りを中途半端にやるとめちゃくちゃ恰好悪くなりがちです。
最初のうちはアニメ塗りに近い、パリっとした塗りの方が見栄えはよくなる気がします(もう一度言いますが主観が入ってます)。
細かい部分の塗りに関して言うことは特にありません。調べればいろんな方の書いた講座のページがあると思うので、自分なりの色塗りを見つけましょう。
あとは色トレスってやつですかね。線画の色をなじませるみたいな話です。
(一応僕のやり方は、線画のレイヤーを全部レイヤーフォルダに突っ込んでフォルダ単位で通常レイヤーをクリッピングして筆で塗って線色を変えてます。分からなかったら読み飛ばしていいです)
ハイライトやらを追加したり少し色を補正したりして完成です。
長文・駄文失礼いたしました。お読みいただきありがとうございます。
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おまけ
今回は使ってないんですが簡単に情報量を増すのに使えるズルを紹介します。
使うのは境界効果のフチです(以下サイト参照)。
これでズルをします。
色塗りが終わってからでも髪の毛のハネなどを加筆できるごり押しテクです。
まずは一番上にレイヤーを二枚追加します。
①のレイヤーだけ下のように設定します。フチの太さは線画の太さと近づけましょう。若干細い方がいいかもしれません。フチの色は線画の色に合わせます。
次にハネを加筆したい髪の毛部分の色をスポイトで取ります。(今回はハイライト部分なので白になりました)
①の方に太いペンで髪をつけ足します。すると境界効果で出来たフチが線画っぽくなります。
最後に同じ色のペンを使って②のレイヤーで①の要らない部分を削ります。
境界効果は他にも悪用使用できて、
あ、Masayoshi IimoriのHella Deepは最高なのでみんな聞きましょう。友達の曲が弐寺でプレーできるのめっちゃ不思議な気分になります。
ではでは。
(∠KOH)